日々雑感

Thinking more Thinking

*

企業保険としてのリコール保険は役に立つのか?

      2014/12/22

ペヤングのまるか食品のゴキブリ混入事件は、
ツイッターの投稿から始まっています。
一般消費者が、このようにダイレクトに写真付きでネットにアップできる時代です。

私の場合も、全国展開している「H寿司」の、地元店にて
拭き残し、油による指跡のある皿が連続して廻って来たので
店員に声を掛けて注意しました。
同店ではその後の報告がなかったので、翌日に
本社のフリーダイヤルに電話をして状況を説明し、
指導を促しましたが、その過程でも、本社の受付窓口でも
「H寿司」のリスク管理意識が低い事がよく分かりました。

産経新聞のweb版SannkeiBizでは、以下のような記事が
アップされています。2014.12.12 06:51

カップ麺「ペヤングソースやきそば」に虫の混入が指摘された問題で、製造元のまるか食品(群馬県伊勢崎市)は11日、 調査の結果、製造過程で混入した可能性が否定できないとしてペヤングブランド全商品(25種類)の生産販売を当面の間休止すると発表した。混入したとされ る異物を外部機関で分析した結果、ゴキブリと断定された。混入原因は分からなかった。

 同社は発覚直後の初動対応が不十分との批判を受け、全商品の生産販売休止という異例の対応に追い込まれた。食品メーカーにとって「食の安全」をめぐる信頼確保が最重要課題であることを改めて示した格好だ。

「危機管理の意識が不足していた」。まるか食品の関係者は、一連の対応をこう振り返る。問題発覚直後の4日、同社が発表したのは、同じラインで作られた商品2種類の自主回収だけ。まだ原因が不明にもかかわらず、「(製造過程での)混入は考えられない」と説明した。

これに対し、全国から「食の安全への認識が甘い」という批判が殺到。踏み込んだ対策をとらざるを得なくなった。自主回収費用を補償するリコール保険にも未加入で、「業績への影響は大きい」としている。

 

DSC_0674 (1) DSC_0676この写真は、今年の1月 話題のペイヤングとはいかなるモノかと、
ドン・キホーテで買って食べようとした時のものです。
もちろんゴキブリの混入はありませんでした。

この事件においての企業のリスク管理面で、
いろいろな教訓が得られます。

  1. 事故を未然に防ぐこと
    日常の製造工程にて、異物の混入にどれだけの
    配慮と、管理が行われていたか?


    製造工程の、写真がアップされていましたが、
    決して衛生的な設備でなく、ゴキブリ捕集器が写って
    いました。ゴキブリ混入は時間の問題であったように思えます。
    工場、出荷ルート、流通ルートを通じて衛生管理と、異物混入を防ぐ対応は、絶えず行われていて当然のコストです。

  2. 事故発生を想定した、財務強化と保険手当
    食品メーカーとして、今回のような異物混入事故、
    製品のリコールによる回収、対処の為の財務負担


    リコール保険未加入の指摘がありましたが、
    製造物賠償責任保険通称PL保険の特約として、
    リコール保険が設定されます。
    保険会社としては、この手の賠償責任保険、利益保険は引き受けリスクが大きくて、中小企業単独での引き受けは難しい保険です。商工会議所とかの団体引き受けの一会員としての加入が一般的でしょう。
    また引き受けに際しても、保険金額の設定枠内で事故リスクがフルカバーできないと思われます。
    SankeiBizのように、経営直撃と書いていますが、
    財務状況がしっかりしていて、含み資産を多く持つ企業の場合に、一部保険としてしか利用できないリコール保険より、自家保険の備えをしっかりする方が、むしろ賢明な判断の場合があります。
    一般個人の自動車保険のような感覚で、企業保険の加入メリットデメリットを気軽に記事にすべきではありません。
    企業リスクは安易に保険に頼れない事、また保険会社もリスクを取りたがらない事を充分認識しておくことです。

  3. 事故発生時の、初動とメディア対応

    今回の事故は、ソーシャルメディアに事故発生と同時に投稿されてしまい、その内容をメディアであるSankeiBizがニュースとして取り上げ他社が追随することとなりました。
    初動を慎重に行っても、揚げ足取りや拡散したくてしかたない
    メディア、ソーシャル層の対応を誤ると沈静化は難しくなります。
    食品業界は、製造ラインのチェック体制と自社内の従業員・アルバイトとの人間関係でトラブルが無いか絶えず確認しておく必要があります。

  4. タイトルの、企業保険としてのリコール保険は役に立つか?

    企業保険で引き受けリスクのある保険種目は、
    団体での加入・引き受けによって保険リスクの分散がはかられます。
    製造物責任保険(PL保険)のケースなどは、
    中小企業個別契約は、保険会社の引き受けリスクが
    高すぎて、引き受けを拒否されます。
    製造物としての食品の場合は、市場に出回る期間が限定されますから、他の自動車や電化製品のように製造後、事故が発生する期間が長期に及ぶこともなく、保険加入期間と、事故発生時期との問題が発生し難い業界です。
    この保険は、加入時以後の事故を担保する契約が多く、
    保険加入時以前に遡って担保するには別途特約が必要になります。製品がマーケットに長期に渡って使われる場合には、
    一旦保険加入した場合に、保険契約を途中で止めにくい保険でもあります。企業会計をリスク管理の面で上手に保険加入とバランスを取りながら行う、リスクマネージャーが企業に必要とされています。

 - リスク管理

Adsense1

Adsense1

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

カスペルスキー、サイバー犯罪組織同士の攻撃を確認

カスペルスキーは4月15日、同社のKaspersky Labの調査分析チームが、 …

フジTVドラマ 「リスクの神様」

企業にとってのリスクマネジメントは、なかなか難しいものです。 リスク管理と言うと …

自然災害の危機管理は人の判断に委ねない事。

広島の、豪雨災害時の初動についての記事があります。 北海道新聞web版 2014 …

入社時の労働条件の書面による明示義務

正規雇用、パートアルバイトにかかわらず義務づけられています。 そもそも、コンビニ …